主任技術者とは?現場監督との違いを建設業法から分かりやすく解説

主任技術者と現場監督の違いを建設業法から解説するアイキャッチ画像 主任技術者

建設業界を目指すなら、「主任技術者」という言葉をまず覚えておきましょう

建設業界を目指している皆さん。

これから建設会社で働こうとしている皆さん。

そして、すでに建設会社で働き始めた皆さん。

まず、ぜひ覚えておいてほしい言葉があります。

それが、

「主任技術者」

です。

建設業界で働いていると、「主任技術者」という言葉を耳にする機会が増えてきます。

しかし、建設業界に初めて入る人にとっては、

「主任技術者って、いったい何?」

と思うのが普通ではないでしょうか。

現場監督のことなのでしょうか。

何かの国家資格を持っている人のことなのでしょうか。

それとも、現場で一番偉い人なのでしょうか。

実は、どれもそのままでは正確ではありません。

「現場監督」と「主任技術者」は、同じ意味ではないからです。

「現場監督」は、建設業界で一般的に使われている仕事の呼び名です。

一方、

「主任技術者」は、建設業法によって定められた法律上の役割です。

そして、主任技術者は単に「資格を持っている人」という意味でもありません。

建設業法では、主任技術者を工事現場における、

「施工の技術上の管理をつかさどる者」

として位置付けています。

では、主任技術者とは具体的に何をする人なのでしょうか。

なぜ建設業法は、工事現場に主任技術者を配置することを求めているのでしょうか。

どのような工事で必要になるのでしょうか。

そして、誰が主任技術者になることができるのでしょうか。

この記事では、こうした疑問を一つずつ整理しながら、

「主任技術者」という言葉の意味と、その制度がなぜ建設業界に必要なのか

を、これから建設業界を目指す高校生・専門学校生・大学生、転職を考える社会人、そして若手施工管理技術者にも分かるように解説します。

この記事の結論

主任技術者とは、建設業法に基づいて工事現場に配置され、

施工の技術上の管理をつかさどる技術者です。

「現場監督」という呼び方とは違い、主任技術者は法律上の役割です。

同じ人が「現場監督」と「主任技術者」を兼ねることはありますが、両者は同じ意味ではありません。


この記事で分かること

この記事を読むと、次のことが分かります。

  • 主任技術者とは何か
  • 現場監督と主任技術者の違い
  • 主任技術者はどのような工事で必要なのか
  • 「主任技術者は500万円以上の工事で必要」という話がなぜ誤解なのか
  • 主任技術者になれる資格・実務経験
  • 「配置」と「常駐」はどう違うのか
  • 主任技術者は現場で一番偉い人なのか
  • 主任技術者制度が社会にとってなぜ重要なのか

主任技術者とは?

まず、主任技術者について一番大切なところから説明しましょう。

建設業法第26条では、建設業者が建設工事を施工する場合、工事現場に主任技術者を配置することが定められています。

国土交通省も、建設業の許可を受けた建設業者は、原則として、元請・下請、請負金額にかかわらず、 請け負った建設工事を施工する工事現場に主任技術者を配置する必要があると説明しています。

ここで非常に重要なのが、

主任技術者は「工事現場にいる資格者」ではなく、「施工の技術上の管理を担う者」である

ということです。

建設工事では、施工計画を立て、工程を調整し、品質を確保し、施工方法を判断し、施工に従事する人へ技術上の指導監督を行う必要があります。

建設業法第26条の4では、主任技術者・監理技術者の職務として、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理、施工に従事する者への技術上の指導監督などが定められています。

つまり主任技術者とは、

工事を適正に施工するため、施工の技術上の管理を担う技術責任者

と理解すると分かりやすいでしょう。


主任技術者は「工事全体で一人」という意味ではない

ここは非常に重要です。

「主任技術者」と聞くと、

「その現場で一番上に立つ技術者」

と思うかもしれません。

しかし、そうではありません。

一つの建築工事には、元請会社だけでなく、鉄筋工事、型枠工事、鉄骨工事、電気工事、設備工事、内装工事など、数多くの建設業者が関わります。

そして、建設業許可を受けたそれぞれの建設業者が、自ら請け負った建設工事について主任技術者を配置することが原則です。

したがって、

一つの現場に主任技術者が何人もいる

ということは、決して珍しいことではありません。

たとえば

建設工事における元請会社と下請会社の主任技術者配置の概念図1

というように、それぞれの建設業者が自ら請け負った工事について技術上の管理を行います。

つまり主任技術者は、

「現場に一人だけいる工事全体の責任者」ではなく、それぞれの建設業者が請け負った工事について施工の技術上の管理を担う技術者

なのです。


現場監督と主任技術者は何が違う?

この記事で最も重要なポイントです。

一言でいうと、

現場監督は「仕事」の呼び名。

主任技術者は「法律」が定めた役割。

です。


現場監督とは

「現場監督」という言葉は、建設業界で広く使われている一般的な呼び名です。

建設会社の現場では、

  • 現場監督
  • 施工管理
  • 工事主任
  • 工事係
  • 現場所員

など、会社によってさまざまな名称が使われています。

現場監督の仕事には、

  • 工程管理
  • 品質管理
  • 安全管理
  • 原価管理
  • 写真管理
  • 書類作成
  • 発注者との打合せ
  • 協力会社との調整
  • 職人との打合せ
  • 施工方法の検討

などがあります。

つまり「現場監督」とは、

建設工事を円滑に進め、完成へ導く施工管理の仕事を担う人

という一般的な呼び方です。


主任技術者とは

一方、主任技術者は建設業法上の制度です。

建設業法では、建設業者が建設工事を施工するとき、その工事現場に主任技術者を配置することを求めています。

主任技術者に求められる中心的な役割は、

「施工の技術上の管理」

です。

つまり、

現場監督=仕事・呼び名

に対して、

主任技術者=法律上の役割・責任

と整理すると分かりやすいでしょう。


同じ人が「現場監督」と「主任技術者」を兼ねることもある

実際の建設現場では、

現場で「監督さん」と呼ばれている人が、その工事について主任技術者として配置されていることもあります。

そのため、

「現場監督=主任技術者」

と思われやすいのです。

しかし、両者は概念として同じではありません。

同じ人が二つの立場を担うことがある

と理解するのが正確です。


「現場監督」と「主任技術者」を表にすると

現場監督主任技術者
建設現場で一般的に使われる呼び名建設業法上の役割
施工管理を担当する仕事施工の技術上の管理を担う
会社によって名称が異なる法律上、配置が求められる
一人の人が担当することも複数人の場合もある元請・下請の各建設業者が配置することがある
会社・現場から見た「仕事」建設業法から見た「責任」

つまり、

現場監督は「何の仕事をしている人か」。

主任技術者は「その人が建設業法上どのような技術的責任を担うのか」。

という違いです。


職長と主任技術者も同じではない

さらに、建設現場では「職長」という立場もあります。

職長は、担当する作業班をまとめ、作業が適切に進むよう指揮・指導する現場のリーダーです。

一方、主任技術者は、施工計画、工程、品質、施工方法など、工事を技術的な立場から管理し、施工に従事する者へ技術上の指導監督を行う責任者です。

一人の人が複数の役割を担うことはありますが、

職長と主任技術者は制度上、同じものではありません。


主任技術者はどんな工事で必要?

主任技術者は、建設業許可を受けた建設業者が建設工事を施工する場合、原則として配置が必要です。

一つの建設工事には元請会社だけでなく、多くの下請会社が関わります。
元請会社には工事の規模などに応じて主任技術者または監理技術者が配置され、下請会社には、それぞれが請け負った工事について主任技術者が配置されます。

ここでは、非常に多い誤解を一つ解いておきましょう。

それは、

「主任技術者は500万円以上の工事で必要」

という説明です。

これは正確ではありません。


500万円という数字は「建設業許可」の基準

500万円という数字は、主任技術者を配置する基準ではありません。

建設業法では、一定の「軽微な建設工事」のみを請け負う場合には、建設業許可を受けなくてもよいこととされています。

国土交通省によれば、建築一式工事以外では、工事1件の請負代金が500万円未満の工事が軽微な建設工事に該当します。

建築一式工事については、1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事などが軽微な建設工事に該当します。

つまり、

500万円という数字は、基本的には「建設業許可が必要かどうか」を考えるときの数字です。

主任技術者の配置基準そのものではありません。


建設業許可を受けた建設業者なら、500万円未満でも主任技術者が必要

ここが重要です。

建設業許可を受けた建設業者が建設工事を施工する場合には、請負金額の大小にかかわらず、主任技術者の配置が必要です。国土交通省の最新資料でも、500万円未満であっても許可業者であれば主任技術者の配置が必要と明記されています。

例えば、

A社は建築工事業の許可を持っている。

A社が300万円の建築工事を請け負った。

この場合、

「300万円だから主任技術者は必要ない」

とはなりません。

建設業許可を受けた建設業者が建設工事を施工するのであれば、主任技術者の配置が必要です。

一方、建設業許可を受けていない事業者が、建設業許可を必要としない軽微な建設工事のみを請け負う場合には、建設業法第26条に基づく主任技術者の配置義務はありません。 国土交通省の配置例でも、許可を受けていない二次下請について技術者配置義務がない例が示されています。


建設業許可制度と主任技術者制度は「車の両輪」

ここで、建設業法全体を少し大きな視点から見てみましょう。

建設業許可制度と主任技術者制度は、別々の制度のように見えます。

しかし、実際には深くつながっています。

国土交通省も、建設業法において、技術者を営業所の専任技術者や工事現場の主任技術者として配置し、技術者の適正配置によって建設工事の品質や安全性を確保する仕組みを設けていると説明しています。

私は、この関係を次のように理解すると分かりやすいと思います。

言い換えれば、

建設業許可制度は「技術力を備えた建設業者」が施工を担うための制度。

主任技術者制度は、その建設業者が現場で施工の技術上の管理を行うための制度。

と整理することができます。

この二つが車の両輪として機能することで、建設工事の適正な施工を支えています。


「配置」と「常駐」は違います

ここも、建設業界を目指す人にはぜひ知っておいてほしいポイントです。

「主任技術者を工事現場に配置する」と聞くと、

「工事が行われている間は、主任技術者がずっと現場にいなければならないのでは?」

と思う人もいるでしょう。

しかし、これは正確ではありません。

国土交通省は明確に、

技術者の「配置」とは、工事現場への常駐を意味するものではない

と説明しています。

ここでいう常駐とは、現場施工の稼働中、常時継続的に当該工事現場に滞在していることです。

したがって、

「配置=常駐」ではありません。


では、主任技術者は現場へ行かなくてもいいの?

もちろん、そういう意味ではありません。

主任技術者には、施工計画、工程管理、品質管理その他の技術上の管理や、施工に従事する者への技術上の指導監督を適切に行う職務があります。

そのため、

  • 重要な工程の確認
  • 施工内容の確認
  • 施工方法の変更
  • 品質に関わる判断
  • 技術的な問題への対応
  • 必要な技術指導

など、主任技術者として対応すべき場面では、適切に現場へ赴き、必要な技術上の管理を行うことが求められます。

つまり、

「常時現場にいること」と「技術上の管理を適切に行うこと」は同じではない

ということです。


「専任」はまた別の話

さらに建設業法には、

「専任」

という考え方があります。

「配置」「常駐」「専任」は同じ意味ではありません。

「専任」は、一定の重要な工事について、工事現場ごとに専任の主任技術者または監理技術者を置くことを求める制度です。

詳しい専任要件や、主任技術者と監理技術者の違いについては、次の記事で解説します。


主任技術者になれる人とは?

では、

「主任技術者は誰でもなれるの?」

という疑問が出てきます。

もちろん、誰でもなれるわけではありません。

建設業法では、工事の種類・建設業の業種に応じて、建設業法で定める技術者資格や一定の実務経験などを満たす人が主任技術者になることができます。国土交通省も、主任技術者について一定の資格・経験を有する技術者を配置する制度として説明しています。


例えば建築工事業では

代表的なものとして、

  • 1級建築施工管理技士
  • 所定の区分に該当する2級建築施工管理技士
  • 1級建築士
  • 2級建築士
  • 一定の実務経験を有する者

などがあります。

ただし、「この資格を持っていれば、どの業種の建設業の主任技術者にもなれる」というわけではありません。

建設業の業種ごとに認められる資格や実務経験が異なります。

また、施工管理技士についても、1級・2級、資格区分、検定制度、実務経験の条件などによって扱いが異なります。

したがって、

主任技術者になるための道は、一級建築施工管理技士だけではありません。

ということを、まず覚えておいてください。

詳しい資格要件や実務経験については、別の記事で一つずつ整理するのがよいでしょう。


主任技術者は「一番偉い人」ではない

ここからは、少し法律の条文から離れて、実際の建設現場を考えてみましょう。

「主任技術者」と聞くと、

現場で一番偉い人

職人さんに命令する人

というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、実際の建設現場はそうではありません。

建設業法は主任技術者を、

「工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる者」

として位置付けています。

つまり、求められているのは「命令すること」ではなく、

工事を技術的に適正な方向へ導くこと

なのです。


主任技術者は専門工事業者の技術を生かす人

例えば鉄筋工事には、鉄筋工事の専門知識があります。

型枠工事には、型枠大工の専門技術があります。

電気工事には、電気工事の専門技術があります。

設備工事にも、長年の経験によって培われた専門技術があります。

主任技術者は、それらすべてを自分一人で代わりに行う人ではありません。

専門工事業者が持つ高い技術を正しく生かし、

施工方法、

品質、

工程、

安全、

他工種との取り合いなどを技術的に調整しながら、

一つの建築物として適正な施工を実現していく役割を担います。

だから、

施工管理は「命令する仕事」ではなく、「専門家の力を引き出し、支え、調整する仕事」

でもあるのです。


資格だけでは「主任さん」にはなれない

建設業法では、

主任技術者になるための資格や実務経験が定められています。

しかし、

資格を取得しただけで、

現場の人から信頼されるわけではありません。

例えば新人監督が、2級建築施工管理技士などの資格を取得し、主任技術者として配置される日が来るかもしれません。

しかし、現場で長年経験を積んできた職人さんとの信頼関係は、資格証だけで築くことはできません。

約束を守る。

分からないことは素直に教えてもらう。

現場をよく見る。

相手の話をよく聞く。

間違ったときは素直に認める。

一つひとつの積み重ねが、

やがて、

「主任さん」

「監督さん」

と呼ばれる存在につながっていきます。

建設業法は資格や実務経験を主任技術者の要件として定めています。

しかし、

現場で信頼される技術者になるためには、それとは別の努力が必要です。

これは、これから現場監督を目指す若い人にぜひ伝えたいことです。


建設工事は一人では完成しない

学校。

病院。

工場。

マンション。

公共施設。

これらの建物は、一人の技術者が造るものではありません。

多くの専門工事業者が関わり、そこに数多くの技能者が働きます。

それぞれが、

自分の専門技術を発揮しながら、

一つの建物を完成させていきます。

主任技術者は、その中で自ら請け負った工事について、施工の技術上の管理を担います。

つまり、

建物を一人で造る人ではありません。

多くの技術者や技能者の力を調整し、

それぞれの専門性が適切に発揮されるよう支え、

一つの建築物として完成へ導いていく技術者なのです。


建設業法が現場へ託した責任者

ここまで読んで、

「では、なぜ国は主任技術者を配置することを義務付けているのだろう?」

と思った方もいるでしょう。

私は、ここに主任技術者制度の本当の意味があると思います。

建物は完成すると、

何十年にもわたって多くの人が利用します。

学校では子どもたちが学びます。

病院では患者さんが治療を受けます。

住宅では家族が暮らします。

工場では人が働きます。

道路や橋などの社会資本は、地域の人々の生活を支えます。

もし施工が適切でなければ、

その影響は完成した後も長く社会に及ぶ可能性があります。

だからこそ、

建設工事を適正に施工するための仕組みが必要なのです。


主任技術者制度は会社の利益だけを守る制度ではない

主任技術者制度を理解するとき、建設会社の利益だけを見るのではなく、適正な施工を確保し、その先にある建設物の品質や安全、ひいては社会の安全を考えることが重要です。

国土交通省も、建設業における技術者は良質な建設生産物を整備するうえで重要な役割を担っており、技術者の適正配置によって建設工事の品質や安全性の確保を図る制度として説明しています。


建設業許可は「会社」を見る制度。
主任技術者制度は「工事」を見る制度。

ここで、この記事の最初に説明した建設業許可制度との関係に戻りましょう。

建設業許可制度は、建設業を営む会社について、必要な技術者の確保や財産的基礎、誠実性など、法令で定められた要件を満たしているかを確認する制度です。

そして、建設業許可を受けた建設業者が実際の建設工事を施工するとき、その工事現場で施工の技術上の管理を担うのが主任技術者です。

したがって、

建設業許可は「会社」を見る制度。
主任技術者制度は「工事」を見る制度。

という関係になります。

さらに言えば、

建設業許可制度によって一定の要件を満たした建設業者が施工を担い、主任技術者制度によって、その建設業者が請け負った工事について施工の技術上の管理を行う。

という関係です。

この二つの制度がそれぞれの役割を果たすことで、

適正な施工

建設工事の品質・安全の確保

建物や社会資本を利用する人々の生命・身体・財産の保護

へとつながっていきます。


主任技術者制度が支えている「施工管理」という仕事

ここで、もう一度「現場監督」という仕事を考えてみましょう。

現場監督は、

工程を管理します。

品質を管理します。

施工方法を考えます。

協力会社と調整します。

職人さんと打合せします。

図面を確認します。

現場の状況を確認します。

問題が起きれば、施工方法を考え直します。

こうした仕事の中心にあるのが、

「施工の技術上の管理」

です。

つまり主任技術者制度は、

単に資格を持った人を現場に置く制度ではありません。

施工管理という仕事そのものを、建設業法の中で支えている制度

ともいえるのです。

これから現場監督を目指す人は、

「施工管理=会社から言われたことを職人さんに伝える仕事」

と思わないでください。

施工管理とは、

技術を学び、考え、判断し、多くの専門家と力を合わせて、適正な施工を実現する仕事

です。

そして、その仕事には、建設業法によって社会的な責任が与えられています。


まとめ|主任技術者は「資格者」ではなく、技術と責任を託された人

この記事では、主任技術者について詳しく見てきました。

最後に、重要なポイントを整理しましょう。

主任技術者とは

建設業法に基づき、工事現場における施工の技術上の管理をつかさどる技術者です。

現場監督との違い

「現場監督」は建設業界で一般的に使われる仕事の呼び名。

「主任技術者」は建設業法上の役割です。

同じ人が現場監督と主任技術者を兼ねることもあります。

どんな工事で必要なのか

建設業許可を受けた建設業者が建設工事を施工する場合、請負金額の大小や元請・下請を問わず、原則として主任技術者の配置が必要です。特定専門工事には一定の例外があります。

したがって、

「500万円以上だから主任技術者が必要」ではありません。

500万円という数字は、主として建設業許可が必要かどうかを判断する際の「軽微な建設工事」の基準です。

配置と常駐は違う

主任技術者の「配置」は、

工事施工中、常に現場に滞在する「常駐」を意味するものではありません。

一方で、主任技術者には、施工計画、工程、品質などの技術上の管理を適切に行い、必要な技術的対応を行う責任があります。

主任技術者は一番偉い人ではない

主任技術者に求められているのは、

人に命令することではありません。

施工の技術上の管理を担うことです。

専門工事業者や技能者の技術を尊重し、その力を生かしながら、適正な施工へ導いていく技術者です。


主任技術者制度の本当の意味

主任技術者制度は、

単に資格者を現場へ配置するためだけの制度ではありません。

建設業許可制度によって施工を担う建設業者が、その工事現場に主任技術者を配置し、施工の技術上の管理を適切に行う。

その結果として、

建設工事の品質と安全を確保し、その先にある国民の生命・身体・財産を守る。

これが、主任技術者制度を理解するうえで大切な視点です。

主任技術者とは、

単に資格を持っている人でも、

現場で一番偉い人でもありません。

施工の技術上の管理を担い、その責任を果たすことで、社会から技術的な責任を託された技術者なのです。


次の記事|主任技術者と監理技術者は何が違う?

ここまで読んだ方は、

「主任技術者とは、現場で技術上の管理を担う人なんだ。」

ということが分かったと思います。

では、建設業法には主任技術者とは別に、

「監理技術者」

という技術者がいるのはなぜでしょうか。

なぜ、ある工事では主任技術者でよく、別の工事では監理技術者が必要になるのでしょうか。

次の記事では、

  • 主任技術者と監理技術者の違い
  • 監理技術者が必要となる工事
  • 元請と下請での役割の違い
  • 「専任」とは何か
  • 監理技術者が担う責任

について、建設業法をもとに分かりやすく解説します。

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